将来に備えて、骨貯金

健康

今、子供達の身体に異変が起きているのを知っていますか?

・うちわを自分であおげない
・雑巾がけで骨を折る

このような信じられないことが起きています。

何が原因でこのようなことが生じるのでしょう。

身体の成長するには旬がある

今、公園で遊んでいてもブランコに乗ってゲームをしたり、外にも出ずに内の中だけで遊ぶ子供達が増えています。

特に女の子は運動する時間がゼロに近いそうです。

スマホの長時間使用による弊害として遠近調整能力が低下することが上げられます。

この能力が落ちてしまうと、野球や卓球などで空振りをする回数が増えてしまいます。

身体の成長期には旬があります。それは、小学校の高学年から中学校時代にかけてです。

そして、成長するためには運動という刺激が欠かせません。

この時期に体力ピークを高めておくと将来、加齢によって衰えるスピードはゆるやかになります。

逆にこの発達期に能力を伸ばせないと、将来に悪影響が及びます。

運動をしない子供の骨が危ない

子供の頃に運動をしないと、最も影響を受けるのが骨です。

骨では古くなった組織を壊す破骨細胞と新たに形成する骨芽細胞が活発に働き2~5年で入れ替わります。

骨の代謝を促すのはジャンプのような骨に強い負荷をかける動きです。

骨に強い刺激があると骨細胞はより強い骨になろうと作り替わるのです。

でも、運動をしないと骨の形成は進まなくなります。

成長期にしっかり運動し十分なカルシウムを摂取すると太くて強い骨が作れます。

これが将来に備えた骨貯金となるのです。

骨貯金に必用なことは以下。

・運動により骨に負荷をかける(ジャンプが効果的)
・太陽を浴び体内のビタミンD合成を促進する
・月経があり女性ホルモンの分泌が正常
・適度な体脂肪がある
・骨の形成に必用な栄養の摂取(カルシウム、タンパク質、ビタミン)

* 骨貯金のためには肉よりも魚のほうがよい

骨貯金が高齢期の健康の鍵

20歳頃までの骨貯金は人生の後半の健康の鍵です。

特に女性は閉経後、破骨細胞の活動を抑える働きがある女性ホルモン、エストロゲンの分泌が一気に減るため骨密度がその後の10年で15~25%も下がりがちです。

もし、骨密度が若年成人平均の70%以下にまでなると骨粗しょう症となります。

こうなると骨がもろくなるので腕、背骨、股関節が折れる「ドミノ骨折」になり寝たきりになる可能性が高まります。

特に背骨を折ってしまうと5年以内に4割の方が亡くなってしまいます。

小さな頃から運動を心がける

骨を強くして運動障害を防ぐためには、子供が小さい頃から運動する機会を増やすことが大事です。そして、さらに多様な動きを身に付けさせるのが望ましいといわれています。

山梨大学のある教授は

「特定のスポーツに偏らず、遊びの中で様々な身体の部位を動かすことが大事」

と語っています。

昔の子供はゴム跳びや鬼ごっこなど外で遊ぶことで自然と骨を鍛えられていたのでしょう。

今の時代の子供が高齢になった時、どうなるのか。

もしかしたら、寿命は延びたとしても骨折により寝たきりになる人が増えてしまうかもしれません。

2020年から実施される小学校の次期学習指導要領では低学年の体育で運動遊びが拡充される予定です。

技能の向上だけではなく楽しく身体を動かすことが重視されるのです。

今、子供の運動不足の背景に子供の体育嫌いがあるようです。

特に女子は汗をかくことを嫌う傾向が強いようで、これが女子の運動不足を招いているのです。

まとめ

おそらく子供の頃は骨について子供は何も考えていません。

親だってそれほど気にしてないでしょう。

しかし、成長期の骨の成長が将来にわたり影響するということを知れば、意識的に運動をする人は増えるかと思います。

今、子供の頃からスマホとかゲームに親しむことが増えていますが、もしゲームをするなら身体を動かしながら遊べるようなものを選んだ方がいいでしょうね。

また、ゲーム以外でもいろいろな人と一緒に身体を動かすスポーツやダンスなどをしたり、アスレチックで遊んだりするのもおすすめです。

そして、子供の時から身体を動かす習慣をつけておけば、大人になってもそれを続けやすくなります。

いずれ今の運動をあまりしない子供も中年になれば自分の健康が気になりだし運動をするとは思いますが、できれば運動は一生続けたほうがいいでしょう。

その意味でも子供時代にいかに運動の大切さや面白さを伝えていくかがこれからの課題でしょう。

個人的にはもう50代後半になってきているので健康のために日々運動を欠かさないようにしています。

また、運動をすることで頭がスッキリしたり、ストレスを減らすこともできているように思います。

参考:読売新聞